
他のカードゲームから来た方が、ロルカナで最初に戸惑うのがここです。
「この能力とこの能力、どっちが先に解決されるの?」「スタックってどうなってるの?」
結論から言うと、ロルカナに「スタック」という用語はありません。総合ルールを通して探しても、この言葉は出てきません。代わりに存在するのが「バッグ」という公式用語です。
この記事では、ロルカナの処理順のルールを整理します。実は覚えるべき原則は2つだけで、そこさえ押さえれば対戦中に揉めることはまずありません。
他のカードゲームでは、発動待ちの効果が積み重なる場所を「スタック」と呼びます。積み上げた順とは逆に解決されていく、あの仕組みです。
ロルカナには、この用語がありません。似た役割を持つ領域は存在しますが、名前も挙動も違います。
公式が使っているのは「バッグ」という言葉です。総合ルールに独立した節が設けられている、れっきとしたルール用語になっています。
対戦相手と話すときも「スタックに乗せて」ではなく「バッグに入って」と言うのが正しい表現です。細かい話ですが、大会の場では通じ方が変わります。
特定の状況が起きたときに、自動的に発動する能力のことです。カードに「〜したとき」「〜するたび」と書かれているものが、これにあたります。
「このキャラクターをプレイしたとき、カードを1枚引く」「クエストするたび、相手のキャラクターに1ダメージ」——こうした文言を見たら、それは誘発能力です。
自分で使うタイミングを選べる能力(コストを払って使うもの)とは、性質が異なります。
誘発能力は、条件を満たした瞬間にすぐ効果が出るわけではありません。いったんバッグという場所に入り、解決される順番を待ちます。
バッグは物理的な置き場所ではありません。「今この能力が待機している」という状態を表す、概念上の領域です。カードを実際にどこかへ置く必要はないので、そこは安心してください。
そして重要なのが、1つずつ順番に解決していくという点です。効果は次の処理に進む前に、必ず解決し終える必要があります。同時に複数が入り混じって処理されることはありません。
ここが本題です。処理順で迷う場面は、たった2つのルールでほぼ解決します。
自分のカードから、複数の誘発能力が同時に発動することがあります。たとえば「このキャラクターをプレイしたとき〜」を持つカードを出したら、別のカードの「キャラクターをプレイするたび〜」も同時に条件を満たした、という場面です。
このとき、どちらを先に使うかは自分で選べます。
そして必ず1つずつ処理します。1つ目の能力を使い終わってから、2つ目に進む。まとめて処理したり、途中で入れ替えたりはしません。
順番を選べるということは、有利になるほうを選べるということでもあります。慣れてきたら、ここは考えどころになります。
自分の「チャレンジするたび〜」と、相手の「チャレンジされるたび〜」が同時に発動した。こういう場面もあります。
この場合は、今ターンを行っているプレイヤーから先に処理します。自分のターン中なら、自分の能力を全部使ってから、相手が自分の能力を使う——という順番です。
多人数戦の場合も同じ考え方で、ターンが回る順番に沿って処理していきます。
この2つを知っていれば、対戦中に処理順で止まることはほとんどありません。
もう少し踏み込みたい方のために、能力の分類も整理しておきます。総合ルールでは、能力を次の5つに分けています。
| 種類 | どんな能力か |
|---|---|
| 誘発能力 | 「〜したとき」「〜するたび」で自動的に発動する |
| 起動能力 | コストを払って、自分のタイミングで使う |
| 常在能力 | 場にある限り、ずっと効果を発揮し続ける |
| 置換効果 | 起���るはずだった出来事を、別のものに置き換える |
| 特性変更能力 | カードの持つ特性(コストや名前など)を変える |
処理順の話が関わってくるのは、主に誘発能力です。常在能力は発動という概念がなく、ずっと効いているだけなので、バッグには入りません。
実際に判断に困る場面を、公式の裁定にもとづいて整理します。
使えます。条件を満たすたびに発動します。
ただし例外があって、「各ターンに一度」「あなたの各ターンに一度」と書かれている場合は1回だけです。カードの文章をよく読んでください。
コストを払えるかぎり、何度でも使えます。回数制限は特に設けられていません。
消えません。「このターン」「あなたの次のターンの始めまで」といった期間が書かれている効果は、その期間が終わるまで影響し続けます。能力を持っていたカードが場からいなくなっても関係ありません。
ここは勘違いしやすいところです。相手のキャラクターを退場させても、すでに発動済みの効果は取り消せません。
使えません。能力のコストは、その能力を使うときに自分で支払う必要があります。他のカードの効果で退場した場合は、コストを支払ったことになりません。
引き分けにはなりません。ここでもターンを行っているプレイヤーから順に、勝敗が確定していきます。
それでも判断がつかない場面は出てきます。そのときのために、総合ルールの冒頭には黄金律と呼ばれる原則が置かれています。
大枠としては、カードに書かれた文章が、一般的なルールに優先するという考え方です。ルールブックにこう書いてあるけれど、カードにはこう書いてある——という場合、カードの文章が勝ちます。
この原則を知っているだけでも、「どちらを信じればいいのか」で止まることは減ります。
なお、判断に迷う具体的な組み合わせについては、公式サイトのカードQ&Aに個別の裁定が数多く公開されています。大会前に、自分のデッキに入っているカードだけでも目を通しておくと安心です。
処理順というと難しく聞こえますが、覚えることは多くありません。むしろロルカナは、この部分をかなり単純に設計しているゲームです。
他のカードゲームで複雑なスタック処理に苦労した経験がある方ほど、この身軽さは気持ちよく感じられるはずです。
著者: ロルカナ博士
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